1 テーマ設定の理由 |
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田川郡は8町1村で構成されており、総人口は、およそ8万人である。
少子高齢化が急速に進み、高齢化率も平均で27%を超えている。目立った産業はなく、
財政基盤が弱いために、行政主導型の地域行政からなかなか脱却できない現状がある。平成18年3月には、下田川3町(赤池町、金田町、方城町)が合併し、
福智町となる。また、田 川郡においては、社会教育の推進を目的とした「田川郡社会教育振興協議会」が昭和47年に立ち上げられ、
これまで大きな成果を残してきている。現在も町村間の連携や広 域的な取り組みを推進するための中心的な組織となっている。
県内各地においては次々と消滅してしまった組織であるが、田川郡では生涯学習・社会教育を推進していくためにその存在価値が改めて重要視されてきている。
公民館活動においては、田川郡内には条例公民館(中央公民館等)が15館、自治公 民館(地区公民館等)が276館ある。
地域の特性を生かした公民館活動を展開してい る公民館も少なくはないが、予算や公民館役員希望者の減少、
地域の横のつながりの希薄化などにより十分な取り組みができていない公民館が大半である。
そこで、田川郡内における公民館活動を活性化させるために広域的な取り組みを行うことによって、
それぞれの公民館が目標を持ち、重点的な取り組みを推進できる基盤づくりを行うことは大変意義深いと考える。 |
2 研究の目標 |
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田川郡内の公民館活動の現状についての実態調査を行い、課題を焦点化するとともに、
今後の公民館活動の方向性を田川郡全体で共通理解を深めることによって公民館活動の 活性化を推進する。 |
3 研究の計画 |
田川郡としての取り組み |
各町村での取り組み |
○ 事業計画書の作成(事業・予算)
○ 研究推進構想の確立
○ 実態調査の内容の検討
○ 実態調査結果の分析・検討
○ 「活力ある公民館活動のすすめ」 (リーフレット)の作成
○ 研修視察
佐賀県佐賀市
○ 「田川郡公民館活性化推進研修会」の
実施(平成18年2月2日)
・実態調査結果などの報告
○ 事業報告書の作成
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○ 実態調査の説明及び実施
○ 調査結果の集約
○ 社会教育行政についての分析
○ 公民館長会などでの説明 |
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4 研究の概要 |
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(1)研究のねらい
田川郡の公民館活動を活性化するために、田川郡の公民館活動の現状に即した重点目標を設定し、
公民館活動に対する地域住民への啓発活動を行い、活力ある地域づくりをすすめることを研究のねらいとする。 |
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(2)研究の実際 @公民館活動に対する実態調査について
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【調査結果及び考察】
○運営に関する組織及び推進体制
個々の公民館では、運営管理について協議するような場はあっても、具体的な取り組みについては多くの悩みを持っている公民館が多い。
また、重点課題などの目標設定が明確に行われてない公民館が74%もあり、
活動に対するマンネリ化や行事消化型の活動に陥りやすいことが予想される。
その一方で指導助言ができるような公民館専任職員が中央公民館にいる町においては、
公民館相互の横の連携がはかれるだけでなく、効果的な公民館活動が展開されていることがわかった。
○活動の実情
1ヶ月間に8日以上開館している地区公民館がおよそ40%あることは、公民館活性化推進において大きな支えとなってくれる。
また、公民館主催の事業についても、約63%の公民館が実施している。田川郡全体としては、活動が決して衰退しているわけではない。
生き生きと活動を展開している公民館も数多く残っていることがわか った。しかし、予算的な問題や活動人員の確保が厳しい公民館も多く、
行政とより一層連携を推進していく必要性がある。
特に、財政的な支援の乏しさは、全ての活動を 抑制しており、活動の内容や方法についても今後検討を行っていく必要がある。
研修面については、約50%の公民館が何らかの公民館活動に関する研修会に参加している。
今後、この数値をさらに向上させるために、研修会などの広報活動を充実させていく必要がある。
○今後の方向性について
平成17年3月に県公民館連合会が作成した「時代の変化に対応した新たな公民館活動をめざして」において、
県全体の公民館活動の方向性が提起されている。田川郡においては、県全体の方向性も視野に入れながら、
重点目標を設定するとともに田川郡全体が連携を強化しつつ取り組みを進めていくことが大切と考える。
個々の公民館の課題を田川郡全体の課題として捉え、今後研修や啓発を行っていくことによって、
田川郡の公民館活動がさらに活性化するはずである。
<田川郡公民館活動の重点目標>
◎ 学習者・地域住民主導の生涯学習活動の推進
◎ 子どもたちのための事業の充実
◎ 学校やPTAとの連携推進
◎ 家庭教育支援の充実
◎ 広報活動の推進 |
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A生涯学習・社会教育行政に関する調査 |
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田川郡全体としては、各項目とも平均的 な数値となった。町村によっては、UやWの項目が著しく低いところもあった。
また、具体的な公民館活動に関する取り組みについては、住民主導型の講座の運営やボランティアの育成、
各種団体・サークルとのネットワークづくりなどの面で低いポイントがあげられていた。
T 地域課題や住民の学習活動に対する自己認識や研修
U 学級・講座など教育事業の計画や運営
V 社会教育活動を進めるための社会教育職員の主体性や集団形成
W 団体・サークル活動を育て推進するための援助 |
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*九州大学教授南里氏「生涯学習の事業診断」参照 |
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B視察研修【平成17年11月30日〜12月1日】 |
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公民館活性化をめざすために、先進的な取り組みを行っている佐賀県佐賀市教育委員会生涯学習課及び佐賀市本庄公民館に視察を行うことにした。
佐賀市は、平成17年10 月1日に1市3町1村の合併を終え、生涯学習行政の新たなスタートを切ったばかりであるが、
公民館の管理運営などにおいても地域住民への民間委託などを計画しており、
住民自治の向上をめざした取り組みを次々に進めている。
田川郡とは、財政規模など根本的な行政基盤が異なるが、公民館を活性化させるための視点として学ぶものが多くあった。
本庄公民館については、特色ある各種講座以外に、通学合宿など青少年の健全育成に 対する取り組み(子どもに視点)を平成14年度から重点的に行ってきている。
田川郡 における公民館活動も重点目標をしっかりと持ち、取り組みを進めていくことの大切さを改めて感じることができた。
公民館運営業務の一部委託に関しては、様々な課題もあるだろうが、地域住民の公民館としての位置づけも明確になり、
公民館活動の活性化のための方策として検討していく必要があると感じた。
合併直後の大変厳しい時期での視察を受けて頂いた佐賀市教育委員会の皆様に深く感謝している。 |
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C公民館活性化推進研修会【平成18年2月2日】 |
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本事業のまとめとして、添田町地区公民館長会の後援を受け、「田川郡公民館活性化推進研修会」を実施することができた。
参加者対象は、地区公民館長と社会教育行 政関係者で、77名の参加があった。(会場:添田町オークホール)
内容としては、始めに公民館活性推進事業の事業報告を行い、
本実行委員会が作成したリーフレット「活力ある公民館活動のすすめ」を活用しながら、
田川郡の実情と今後の重点目標についての提起をすることができた。
また、講演では、「少子高齢化時代の公民館の役割」と題して、北九州市立大学非常勤講師の山下厚生先生にお話をいただいた。
下記の地区公民館長さん方の声からもわかるように、具体的な実践を交えながら田川郡の現状に応じた地区公民館活動のあり方についても示唆していただいた。
本研修会を通して、田川郡の公民館活動の方向性を田川郡全体で確認できたことと、
公民館活動に対する基本的な研修を深めるとともに参加者の活動意欲向上を図れたことは、大きな意義があったと考えている。
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(3)研究成果と課題
一つひとつの公民館の力は小さいかもしれない。しかし、一つひとつの公民館の役割は大変大きいものがある。
公民館を取り巻く環境は大きく変化してきているが、まちづくり・地域づくりの拠点としての公民館の役割がより強く求められている。
今こそ小さな力を結集し、公民館活動を広域的・組織的な取り組みへと発展させていくことが何よりも大切ではないだろうか。本研究事業を通して、
「活力ある公民館活動のすすめ」を作成することができた。このことは、活性化の第一歩であり、新たな始まりに過ぎない。研究の成果としては、
満足できないものであるかもしれないが、
広域的な取り組みの重要性を大いにアピールできたと考えている。今後も田川郡全体としての公民館活動の広報・啓発活動を推進していきたい。 |
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<成果> |
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・田川郡の公民館活動及び社会教育・生涯学習行政の実態の把握 |
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・リーフレット「活力ある公民館活動のすすめ」(田川郡)の策定 |
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・広域的、組織的な活動推進の基盤づくり |
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<課題> |
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・広域的な推進体制(組織)の充実 |
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・地域住民及び公民館関係者への広報啓発活動の充実 |
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・公民館相互の連携促進 |
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5 構成員の名簿 |
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清藤和彦 |
大任町社会教育課 |
中尾久利 |
赤村社会教育課 |
藤川善和 |
川崎町社会教育課 |
皆川泰広 |
方城町社会教育課 |
福田 寿 |
糸田町社会教育課 |
松本 豪 |
香春町生涯学習課 |
荒木直人 |
金田町生涯学習課 |
田中千波 |
添田町社会教育課 |
中村良之 |
赤池町社会教育課 |
益田 茂 |
筑豊教育事務所 |
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