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田原校区の概要 |
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田原校区は、北九州市小倉南区の南東部に位置し、校区内を国道10号線が通り、JR下曽根駅もあるので比較的交通の便が良いところである。校区内の中心部は、区画整理事業により開発され、ほぼ中央に大型商業施設、その周辺は店舗や高層マンション・アパートが建ち並んでいる。昨年4月現在4,150世帯、人口は10,500人、子育て世代の人口も多く、田原小学校の生徒数(H19.5月現在 807人)は年々増加傾向にある。
田原校区は、自治会、社会福祉協議会、老人クラブ、子ども育成会等の団体で組織した「田原校区まちづくり協議会」が中心となって、市民センターを拠点に保健福祉活動、生涯学習活動、コミュニティ活動など幅広いまちづくり活動を展開している。 |
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事業の目的 |
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子どもにとって「家庭」が真の居場所になるよう、地域と家庭、学校が効果的な連携をし、子どもを育てる環境づくりをする。 |
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家庭教育学級等を通して、子育てに自信の持てる親として成長する。 |
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家庭教育の現状 |
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家庭教育は、親などの保護者が家庭生活を通して子どもに行う教育で「教育の原点」といえるものであり、子どもの人格形成の上で極めて大切なものである。
しかし、家庭教育をめぐる家庭や地域の現状は、親の考え方の多様化とともに、家庭を取り巻く環境(少子化や核家族化、都市化、人間関係の希薄化等)や子どもの生活の変化等により家庭教育が難しくなっている。
また、親も育児に不安を感じたり、子どものことが分からないと感じたりした時に、しつけや家庭内の問題について助言や援助を求める相手がいないなど孤独感を感じている。 |
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家庭教育の取組み |
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(1) |
「北九州市子どもを育てる10か条」の普及・啓発
子どもたちの「生きる力」を育んでいくため、家庭や地域で子育て・親育ちを図るものである。これは「今日から一歩、毎日ひとこと、明日が変わる」をモットーに、十分な浸透を図ることで、家庭と地域が一体となって子どもたちを育てていく環境づくりを目指す「北九州市の子育てルール」である。 |
(2) |
「北九州市子どもの誓い10か条」の普及・啓発
この「誓い」は、子どもが自分自身の心と約束することで、今日から一歩、毎日一つでもいいから実行しながら、自分を育てていくことを目指したものである。
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(3) |
「早寝、早起き、朝ごはん運動」の推進
全国的な運動であるが、子どもが家庭で睡眠や毎日の朝ごはんなど、規則正しい生活リズムを作る。
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(4) |
家庭教育学級
家庭教育学級は、子育てに少しでも「自信が持てる親」として成長できる喜びを味わってもらい、学習を通じて築いた「仲間」とともに、親睦や新たな「学び」を展開するきっかけにする。また、地域で大人と子どもたちが気軽に話ができ、交流ができるような「教育力のある」地域づくりに役立てる。
家庭教育学級における、主催者は市民センター(事業主体)及びPTA(実施主体)、学校は最も大切なパートナーである。 |
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○ 田原小学校(みのり学級) |
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H19年度の学習目標「心と体でリフレッシュ」 |
※人権講座 |
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回数 |
学 習 内 容 |
講 師 |
人数 |
1 |
ヨガで心と体をリフレッシュ |
インストラクター 平木さおり |
45 |
2 |
おやつの与え方 |
カルビー(株) 宮脇博文 |
26 |
3 |
研修旅行 |
芦屋釜 |
40 |
4※ |
子どもの理解について |
東筑紫短期大学 中島俊介 |
39 |
5※ |
子どもの心の声 聴こえてますか |
北九州少年サポートセンター矢野敬子 |
30 |
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○ 田原中学校(わかくさ学級) |
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H19年度の学習目標「心も体も健やかに 親子で楽しく成長しよう」 |
※人権講座 |
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回数 |
学 習 内 容 |
講 師 |
人数 |
1※ |
子どもの人権について |
スクールカウンセラー馬島あさひ |
39 |
2 |
健康を考えた朝食・弁当作り |
料理研究家 磯野純子 |
21 |
3 |
研修旅行 |
田崎真珠、アクロスギャラリー |
22 |
4 |
花一杯の田原中を |
学年主任 有田伸一 |
16 |
5※ |
心身のバランスを保つために |
九大医療技術短大 村田千代子 |
22 |
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5 |
地域での取組み |
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子どもにとっては家庭での教育が大切であるが、家庭だけに任せるのではなく、田原市民センターを拠点として、地域ぐるみで「心身ともに情操豊かな 田原っ子」を育てる活動をしている。 |
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「あいさつのまち田原」の啓発・実践活動 |
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田原校区まちづくり協議会では「あいさつのまち田原」をまちづくりのスローガンに掲げ、家庭や地域で子どもから大人まで気軽にあいさつをすることにより、親子の会話、地域の絆が深まり、誰もが心身ともに豊かで、安心していつまでも住むことができる「まちづくり」を進めている。
★市民センター、学校、道路等に「あいさつのまち田原」の幟を立てている。
★毎月第一金曜日を「あいさつの日」と定め、地域の方々が朝7時半から人通りの多い駅前広場や小・中学校の校門前で、この運動の啓発・実践活動を行っている。
★校区内にあるモール大通りを「あいさつ通り」と定めている。 |
A |
「生き生き子ども講座」の開催 |
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田原市民センターでは「田原っ子」に生活体験や活動体験の機会を与え「生きる力」の育成を目指すため、土曜日や夏休みを利用して、小学生を対象に「生き生き子ども講座」を開設している。
平成19年度は、「将棋教室」「クリスマスのケーキやお花作り」「夏休みのけん玉教室」などの実技、「保育園訪問」「社会見学」等を実施し、これまで13回の講座で延べ340人の子どもが参加した。 |
B |
ワハハ広場、フリースペースの開設 |
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田原市民センターでは幼児と母親を対象に、週一回、地域の子育てサポーターや保健師の協力を得ながら、親子のリズム遊びや3B体操、育児相談、母親や幼児同士がふれあい・交流ができる場を開設している。毎回25〜30組の親子が参加している。 |
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事業の成果 |
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「あいさつのまち田原」の取組みにより、「地域や学校で子どもから積極的にあいさつをするようになった。」との声が多く聞かれる。また、あいさつを通して親子のコミュニケーション、地域の絆が深まっている。
・家庭教育学級の講話を聞き、子育てに自信が持てる親として成長できた。
・生き生き子ども講座を通して、子ども達の思いやりの心、善悪の判断といった社会生活を営む上でのきまりや礼儀を身につけること、学ぼうとする心を育むことができた。 |
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今後の課題 |
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家庭教育学級の参加者が少ないため、アンケート調査等を行い、できるだけ多くの保護者が参加できるようPRの方法や曜日・日時等に配慮する必要がある。 |
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子育てをめぐる社会状況を踏まえると、子どもの健やかな成長のためには、子育て家庭の大きな支えとなる地域の温かな見守りの目が重要である。地域の人に「あいさつのまち田原」の取組みを更に浸透させ、地域ぐるみで実践していく必要がある。 |
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