\ ボランティア活動
地域と市民センターで築き上げたボランティア

1.事業名
  子どもフェスタくらて

2.鞍手町子ども会連絡協議会
  鞍手町は、42の行政区、46館の公民館から構成されている。このうち、昭和35年に発足した鞍手町子ども会連絡協議会(以下「鞍子連」)に33の単位子ども会が登録している。子ども会活動の現状は地区により異なるが、少子化による子どもの減少により子ども会活動ができない地区、また、少人数のため鞍子連に登録せず、地区でほそぼそと子ども会活動を行っている等さまざまである。
  6小学校区を単位とした全児童・生徒数は864人である。そのうち子ども会へ登録している単位子ども会の児童・生徒は、607名で全体の70.2%である。
  鞍子連では、野外生活リーダー研修、子ども会体育大会等の子どもの事業を行い、また地区子ども会の指導者に対しては、子ども会活動の指導や助言、プログラムの企画・立案を行う指導者研修会を行っている。

3.子どもフェスタの実施までの経緯
  子どもフェスタは、平成19年度で5年目を迎えた。ネーミングの通り、子どもたちの子どもたちによる祭典である。この事業の立ち上げについては、鞍子連の役員会で長年議論されてきたものである。その結果、今まで鞍子連が行ってきた事業だけでは、子どもの自主性や社会性、協調性を本質的に育てることができないのではないかとの見解に達した。そこで長期的な視野に立ち継続的な事業を行うことで育成する方向性が見出せないかという考え方が出された。試行錯誤の上、子どもが中心となった実行委員会を組織し、子ども自身による企画・立案・実施を行うことにより、子どもの自主性を高め、創意工夫により、社会性や協調性を育てるという目的を持った事業を計画した。また、これらの事業をサポートするジュニアリーダー・青年リーダーの育成も同時に行って、各々のグループが協力して異年齢集団において子どもの体験活動の推進をするという事業を行うこととした。

4.事業の実施主体
  子どもフェスタくらて実行委員会  鞍手町教育委員会
  鞍手町子ども会連絡協議会  共催として、鞍手町体育指導委員会。

5.協力機関・団体
  福岡県立鞍手竜徳高等学校 直鞍農業協同組合 鞍手町商工会 鞍手町商工会青年部
  鞍手ライオンズクラブ 鞍手町ボランティア連絡協議会 鞍手町社会福祉協議会

6.事業内容
  この事業は、@子どもたち一人ひとりが個性を発揮できる場、Aさまざまな体験活動の中での仲間との連帯感を育てる、B遊びを通して異年齢の子どもや地域の人たちとの交流、Cさまざまな発見と感動を共感できることを目的としている。
  子ども会野外生活リーダー研修に参加した子どもたちを対象にフェスタの実行委員を募り、この事業の企画から運営までを子どもたちが中心となって行っている。今年度は、36名の子どもたちが3ヶ月間、夏休みも返上して準備を行った。

◆◆平成19年度子どもフェスタ事業内容◆◆
子どもフェスタ実行委員・鞍子連   体育指導委員会
 カレー屋ココ2番
 駄菓子屋さん
 宝を探せ!!(スタンプラリー)
 
 体力測定&ニュースポーツ体験
  教育委員会
 
 モノTACK!!ジャグリングショー
 読み聞かせ&タペストリー作成
 映画上映会
 昔の遊び体験コーナー
 お絵かきコーナー
子どもフェスタ実行委員会・鞍子連  
 ビーズ細工&プラ板体験コーナー
 キングスライム
 
 
鞍手町商工青年部  
 焼きそば・かき氷販売
   
 この事業は、実行委員を養成するためだけではなく、来場者もさまざまな体験活動を行うことができる。フェスタは体験活動を多く取り入れ上記の表のような体験的講座の実施を行っている。

7.社会教育関係のボランティア活動状況

  社会教育関係のボランティアの人材バンクについては、確立していない。しかし、さまざまな事業において右記一覧のように、個々のボランティアの支援を受けている。  
担 当 活用事業名
 社会教育  子ども会野外生活リーダー研修
   子どもフェスタくらて
 公民館  ブックスタート
 歴史民俗資料館  資料館事業(企画展、古月横穴)
   いろりばたお話の会
            ▲ボランティア状況一覧表

8.青年リーダーの活用

  社会教育事業のボランティア活用については、先の一覧表に掲げているように「子ども会野外生活リーダー研修」、「子どもフェスタくらて」の事業へ活用を行っている。
  青年リーダーの養成と活用が福岡県教育庁北九州教育事務所で平成14年度から開催されており、鞍手町でも平成15年度より、その人材を子どもの体験事業等で活用してきた。平成17年度からは福岡県立鞍手竜徳高等学校と連携し、高校生を青年リーダーとして活用している。
  ▲準備から子どもたちのフォローをする青年リーダー
  青年リーダーを活用することで次のような効果が得られた。
  (1)高校生と子どもたちが触合うことにより、異年齢交流ができた。
  (2)ジュニアリーダーが育ってきた。
  (3)鞍手町独自の青年リーダーが育ってきた。
     
  今年度は、福岡県立鞍手竜徳高等学校の7名の生徒と一緒に福岡県立鞍手高等学校の2名の生徒が青年リーダーとして、さらには、鞍手北中学校の生徒3名がジュニアリーダーとして参加したが、この鞍手高等学校と鞍手北中学校の5名の生徒は鞍子連でさまざまな活動をしてきた子どもたちで、鞍子連事業に青年リーダーを活用してきた当初の子どもたちである。   ▲フェスタ終了後に記念撮影

9.他の機関の協力
  協力機関・団体には、鞍手町の企業や団体等が積極的に支援を行ってくれている。例えば、商工青年部は飲食コーナーを開設し、ボランティアスタッフとして活躍してくれている。また、鞍手町には、鞍手町ボランティア連絡協議会があり、開催当初より子どもたちの支援を行っている。その他にも資料館ボランティアが昔の遊び体験コーナーで、子どもたちに昔懐かしい遊びの指導やお手本を行ってくれている。その他にも、子どもフェスタには、さまざまな分野からボランティアとして携わっている団体等がある。

▲資料館ボランティア ▲商工青年部 ▲ボランティア「ピヨピヨ」
  年々、子どもフェスタには、ボランティア団体等の数が増えている。平成19年度は、6団体。年々、趣旨に賛同して頂ける人や団体が増加している傾向である。

10.今後の課題
  子どもフェスタは今年度で5回を終了し、さまざまな工夫や改善が必要になってきている。実際には3年目の時点である程度の方向性と事業の成果を得ることができた。しかし、事業は評価することがとても重要である。事業がマンネリ化してしまえば効果は半減してしまう。その意味からも、事業を通して得た貴重な人材を活用するだけでなく、鞍手町独自のボランティアの人材登録を確立する必要性がある。しかしながら、ボランティアをただ活用するだけでは、ボランティアの資質向上は望めない。そこで、ボランティアスタッフの質の高い学習会・研修会を積み重ねて行うことが必要である。また、行政においても社会教育・生涯学習ボランティアと協力して事業を展開するノウハウや取り組み方を検討し推進する職員の資質向上も必要になってくると思われる。

11.おわりに
  今後、ジュニアリーダー、青年リーダーの育成には、さまざまな問題点があり、また、個人のボランティア意識の向上はいうまでもない。
  平成19年度の実行委員会の反省会の折には、アンケート調査を行い、今後、ジュニアリーダーとして活動してみたいと回答したのは、26人中8人で、全体の31%であった。
  しかし、現実的には、この8人がすぐにでもジュニアリーダーとなりうるわけではない。なぜなら、中学校に進み、クラブ活動や塾、さらには親の理解を得て、実際にボランティア活動をしてくれるのは、ほんの一握りである。今後は、鞍手町を背負って行く子どもたちを未来のリーダーに育成するとともに、これらの子どもたちがその責務を担う人材に育っていくように「健やかに育つ、地域づくり」に取り組みたいと思う。

問合せ先
〒807-1311 鞍手郡鞍手町大字小牧2105   TEL0949-42-7200
鞍手町教育委員会 教育課社会教育係  橋 奈美江
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